2022年活動紹介



2022年12月12日 低温工学・超電導学会で発表

 12/7から12/9に長良川国際会議場で開催された低温工学・超電導学会研究発表会において、以下の研究発表を行いました。 企画委員会の仕事もあって3日とも参加し、岐阜を満喫しました。そして2024年春の研究発表会は横浜開催予定。

山梨裕希, 細谷岳哉, 吉川 信行, “外部制御電流で書き込み可能な超伝導メモリセルの小型化” 低温工学・超電導学会秋季研究発表会, 岐阜, 2022年12月.



2022年12月2日 ISS2022で発表

 11/30から12/1に名古屋ウインクあいちにて開催されたInternational Symposium on Superconductivity (ISS) 2022において、以下の研究発表を行いました。この研究は産業技術総合研究所、富士通との共同研究です。

D. Saida, M. Hidaka, F. Hirayama, and Y. Yamanashi, “Factorization circuit composed of 32-superconducting flux qubits utilizing the quantum annealing,” International Symposium on Superconductivity (ISS) 2022, Nagoya, Nov. 2022.



2022年10月31日 ASC2022 in Honoluluで発表

 10/23から10/28にホノルルのでHawaii Convention Centerで開催されたApplied Superconductivity Conference (ASC) 2022において、3件の研究発表を行いました。 ビザの都合で行けなかった発表者の代理も含めて2件発表した韓くん、がんばりました。

 今回はDigitalセッションが合計6個、Neuromorphicセッションも2個あり、超伝導回路の研究者人口が増えてきたことをはっきり感じます。 最近流行の量子関係のセッションは11個(以上?)あり、エレクトロニクス分野全体が活況でした。

 液体ヘリウム温度にちなんだ4.2 kmマラソン大会も復活。レース中は少し雨が降りましたが、ゴール後にきれいな虹が見られたのはとても良かったです。

 久々の対面開催でのASC、発表件数も参加者も多く、かなり盛況で楽しかったです。

Y. Yamanashi, T. Fujisawa, Z. Li, and N. Yoshikawa, “Asynchronous Single Flux Quantum Logic Gates Using Self-Clocking,” Applied Superconductivity Conference (ASC) 2022, Honolulu, US, Oct. 2022.

Z. Li, Z. Han, Y. Yamanashi, and N. Yoshikawa, “Design of a modular circuit library for binary convolutional neural network based on single flux quantum circuits,” Applied Superconductivity Conference (ASC) 2022, Honolulu, US, Oct. 2022.

Z. Han, Y. Yamanashi, and N. Yoshikawa, “Design of Max Pooling Circuit for Binary Convolutional Neural Network Using Single Flux Quantum Circuit,” Applied Superconductivity Conference (ASC) 2022, Honolulu, US, Oct. 2022.



2022年10月11日 卒研プレ配属生が5人加入

 国際ワークショップやその後の諸事情で慌ただしい中、学部3年生5人が卒研プレ配属として研究室に加入しました。 強力なメンバーを加え、ますます研究を加速させます。



2022年10月1日 学振146委員会国際ワークショップで発表

 9/28から9/30に京都リサーチパークで開催されたhe 2022 JSPS 146th Committee International Symposium on Superconductor Electronics jointed with 15th Superconducting SFQ VLSI Workshop (SSV 2022) and 4th Workshop on Quantum and Classical Cryogenic Devices, Circuits, and Systems (QCCC 2022)において(長い・・・)、4件の研究発表を行いました。なお、このワークショップの主催をしました。

 2年ぶりの対面による国際会議、気合が入りました。が、実際は準備に追われて結局ばたばたに。

Y. Yamanashi, T. Hosoya, and N. Yoshikawa, “Miniaturization of Superconductor Memory Cell Reconfigured by External Control Currents,” 2022 JSPS 146th Committee International Symposium on Superconductor Electronics, Kyoto, Sep. 2022.

S. Ito, K. Miyake, Y. Yamanashi, and N. Yoshikawa, “Bias Current Optimization for Stable Operation of Boltzmann Machines with Superconducting Circuits,” 2022 JSPS 146th Committee International Symposium on Superconductor Electronics, Kyoto, Sep. 2022.

Z. Han, Y. Yamanashi, and N. Yoshikawa, “Design of Multiple Data Comparator for Max Pooling Circuits Using Single Flux Quantum Circuits,” 2022 JSPS 146th Committee International Symposium on Superconductor Electronics, Kyoto, Sep. 2022.

Z. Li, Y. Yamanashi, and N. Yoshikawa, “Design and Application of a High-Throughput Accumulator Using Single Flux Quantum Circuit,” 2022 JSPS 146th Committee International Symposium on Superconductor Electronics, Kyoto, Sep. 2022.



2022年9月22日 応物で発表

 東北大学川内キャンパスで開催された応用物理学会秋季学術講演会で、2件の研究発表を行いました。量子アニーリングの発表は注目講演に選定されました。ひさびさの東北大でしたが、日帰りで往復することに・・・。

山梨裕希, 金城来哉, 吉川信行, “周波数同期された単一磁束量子発振回路の出力タイミング同期の検討” 応用物理学会秋季学術講演会, 東北大学, 2022年9月.

才田大輔, 日高睦夫, 平山文紀, 山梨裕希, “超伝導磁束量子ビットを用いたアニーリング方式の4-bit因数分解回路の検討” 応用物理学会秋季学術講演会, 東北大学, 2022年9月.



2022年9月10日 セミナーで招待講演

 大分の湯布院で開催された量子化磁束動力学シミュレーション研究グループ2022年夏のセミナーにおいて、1時間の招待講演を行いました。 超伝導集積回路技術の原理から応用までを概観する内容で、発表途中でも質問が途切れない、物理分野のセミナーらしい体験ができました。 残念ながら現地には行けずにオンラインでも参加となりましたが、湯布院行ってみたかった・・・。

 セミナーで知り合った先生と早速共同研究のお話も。招待してくださった幹事の方々、ありがとうございました。

山梨裕希, “磁束量子を情報担体とする超伝導回路の研究動向” 量子化磁束動力学シミュレーション研究グループ2022年夏のセミナー, 由布, 2022年9月. (招待講演)



2022年9月10日 超伝導量子アニーリングによる可逆論理ゲートの研究がSci. Rep.に掲載決定

 産総研との共同研究である超伝導量子アニーリング回路による論理ゲートの論文がScientific Reports(IF=4.996)に掲載されることが決定しました。 3つの超伝導磁束量子ビットで構成された論理回路のNOR、NAND、AND、OR動作およびその逆動作を確認しました。

D. Saida, M. Hidaka, K. Miyake, K. Imafuku, and Y. Yamanashi, “Superconducting quantum circuit of NOR in quantum annealing,” Sci. Rep., vol. 12, 15894, Sep. 2022. DOI



2022年9月7日 電子情報通信学会で研究発表

 オンラインで開催された電子情報通信学会ソサイエティ大会において、1件の研究発表を行いました。超伝導単一磁束量子回路では一般的に論理ゲートがクロック入力に同期した出力をしますが、クロック入力なく実現できるTフリップフロップを積極的に用いた、高スループットなaccumulatorを実現しました。

Z. Li, Y. Yamanashi, N. Yoshikawa, “Design of a Pipeline Multiply-Accumulator with a high-throughput accumulator using Single Flux Quantum Circuit,” 電子情報通信学会ソサイエティ大会, オンライン, 2022年9月.



2022年8月10日 高校生授業等体験プログラムを開催

 8/9と8/10の2日に渡り、高校生授業体験プログラムとして15人の高校生の実習を担当しました。簡単な電子回路を組み、マイコンでそれを制御する体験をしてもらいました。 少しでも楽しんでくれたなら何よりです。

 ほとんどの高校生はプログラミングが初めてで最初は苦戦している人もいましたが、午後には慣れてきて難しいと思っていた課題もほとんどの人ができてしまいました。 手伝ってくれた院生のTAと、高校生の吸収力に感心しきり。



2022年8月3日 超伝導量子アニーラーに関する研究論文がSci. Rep.に掲載決定

 超伝導量子アニーリングによる因数分解回路の論文がScientific Reports(IF=4.996)に掲載されることが決定しました。 超伝導磁束量子ビット間の固定結合に基づくイジングマシンの実装により、乗算回路の単位ユニットとその逆動作を確認しました。 本研究は産業技術総合研究所との共同研究です。

D. Saida, M. Hidaka, K. Imafuku, and Y. Yamanashi, “Factorization by quantum annealing using superconducting flux qubits implementing a multiplier Hamiltonian,” Sci. Rep., vol. 12, 13669, Aug. 2022. DOI



2022年8月2日 WoSデータベースの論文引用が1500件を突破

 Web of Scienceのデータベースによると、これまでの発表論文の総引用件数が1507件に。

 8/2現在、google scholarでの総引用数は2453件です。



2022年7月9日 研究成果がIEEE TAS誌に掲載決定

 超伝導回路によるルックアップテーブルに関する研究成果が、IEEE Trans. Appl. Supercond.(IF=1.949)に採録されることが決定しました。修了生の細谷氏が実現した超伝導メモリセルを、半導体集積回路によるデコーダで再構成するシステムの動作実証です。超伝導回路を半導体回路でプログラムする、という方式は実は世界初?

Y. Hironaka, T. Hosoya, Y. Yamanashi, and N. Yoshikawa, “Demonstration of Single-Flux-Quantum 64-bit Lookup Table with Cryo-CMOS Decoders for Reconfiguration,” IEEE Trans. Appl. Supercond., in press. DOI



2022年7月9日 同窓会で研究紹介

 横浜電子情報工学会(旧電子情報工学科、電子情報システムEP、情報工学EPの同窓会組織)の令和4年度総会・講演会において、超伝導量子アニーラーの研究紹介を行いました。 対面とオンライン合わせて50名近くの参加があったようです。



2022年6月22日 低温工学・超電導学会の優良発表賞を受賞

 タワーホール船堀で開催された低温工学・超電導学会2022年度春季講演会において、令和4年度優良発表賞を受賞しました。 この賞は令和3年度に低温工学・超電導学会で発表された講演から10件以内が選定されるものです。受賞対象講演は「小型化されたデコーダとメモリセルによる拡張可能な超伝導ランダムアクセスメモリ」です。

 修了生の浅田氏による極地磁束バイアスを用いた小型デコーダと、 細谷氏による2次元制御電流による書き込みが可能なメモリセルを用いたランダムアクセスメモリに関する発表です。 この研究に大きな貢献をしてくれた2名の修了生に感謝です。



2022年5月25日 横国大ホームページの教員紹介に掲載

 横浜国立大学ホームページのコンテンツ、受験生のためのYNU教員紹介 に掲載されました。各教員の個性が見える、面白いコンテンツです。

受験生のためのYNU教員紹介 No. 72 山梨 裕希「新しい原理、素子に基づく次世代コンピュータの研究」



2022年4月13日 EP紹介Youtube動画公開

 新しく作成された電子情報システムEPの紹介動画横浜国立大学公式YouTubeチャネルで公開。本研究室の研究内容も取り上げられています。

そして研究室にちいかわがやってきました。



2022年3月24日 卒修了式

 2021年度の卒修了式、学位授与式が行われました。昨年はコロナの影響でできなかった大学全体での卒修了式が復活。

本研究室の修了生は、昨年9月修了の李くんも含めて全員CREATES論文顕彰表彰しました。三宅くんは成績上位5人に送られる理工学府学業優秀者表彰も受賞。

卒修了生のみなさん、おめでとうございます。



2022年3月23日 応物で3件の発表

 青山学院大学相模原キャンパスで行われた応用物理学会春季学術講演会で、2件の研究発表を行いました。現地発表とオンライン発表が混じったハイブリッド開催、セッションの司会が大変でした。そして量子コンピュータ関係の発表が多いセッションは刺激的で、とても楽しい学会でした。

さすが青学で、学食の入口の所に箱根駅伝や全日本大学駅伝の優勝盾が飾ってありました。

牛山雄登, 山梨裕希, 吉川信行, “超伝導乱数生成器を用いた小面積・低遅延ストカスティック数生成器の設計” 応用物理学会春季学術講演会, 青山学院大学, 2022年3月.

藤澤大世, 山梨裕希, 吉川信行, “超伝導単一磁束量子回路によるクロックレス論理ゲートを用いた低面積4bit桁上げ先取り加算器の設計” 応用物理学会春季学術講演会, 青山学院大学, 2022年3月.

才田大輔, 日高睦夫, 牧瀬圭正, 平山文紀, 山梨裕希, “量子アニーリングにおける単位格子間接続用量子ビットの動作検討” 応用物理学会春季学術講演会, 青山学院大学, 2022年3月.



2022年3月21日 発表論文2編の引用数が100件を突破

 Google scholarによると、以下の2つの論文の引用数が100件に到達。 いずれも超伝導単一磁束量子回路によるマイクロプロセッサの開発に関する研究です。 2007年発表の論文は2015年以降引用数が増えており、近年注目されている成果であることがわかります。

Y. Yamanashi, M. Tanaka, A. Akimoto, H. Park, Y. Kamiya, N. Irie, N. Yoshikawa, A. Fujimaki, H. Terai, and Y. Hashimoto, “Design and Implementation of a Pipelined Bit-Serial SFQ Microprocessor, CORE1beta,” IEEE Trans. Appl. Supercond., vol. 17, no. 2, pp. 474-477, Jun. 2007. DOI

A. Fujimaki, M. Tanaka, T. Yamada, Y. Yamanashi, H. Park, and N. Yoshikawa, “Bit-Serial Single Flux Quantum Microprocessor CORE,” IEICE Trans. Electronics, vol. E91-C, no. 3, pp. 342–349, Mar. 2008. DOI



2022年3月17日 通信学会で3件の発表

 オンライン開催された電子情報通信学会総合大会で、3件の研究発表を行いました。

久保田悠聖, 山梨裕希, 吉川信行, “外部電流による再構成が可能な単一磁束量子FPGAの設計” 電子情報通信学会総合大会, オンライン, 2022年3月.

長谷川大夢, 山梨裕希, 吉川信行, “周波数同期化現象を用いた超伝導乱数生成器の動作点自己調整” 電子情報通信学会総合大会, オンライン, 2022年3月.

Z. Li, Y. Yamanashi, N. Yoshikawa, “Design of a High-Throughput Accumulator using Single Flux Quantum Circuit” 電子情報通信学会総合大会, オンライン, 2022年3月.



2022年3月1日 科研費新規採択内定

 本研究室が科学研究補助金基盤(B)に申請していた研究提案「確率的演算の導入による超高電力効率を持つ超伝導回路の研究」の採択が内定いたしました。今年から採択の発表が早くなって研究の計画が建てやすくなり、とてもありがたいです。



2022年2月22日 研究論文が電気学会論文誌に掲載決定

 名古屋大学の田中先生と共同で執筆した論文が、電気学会論文誌Aに採録決定しました。超伝導量子コンピュータのための制御、読み出し回路の現状を概説し、将来展望を考察しました。

田中雅光, 山梨裕希, “量子コンピュータ超伝導周辺回路の現状と課題,” 電気学会論文誌A, accepted.



2022年1月4日 研究論文がIEEE TAS誌に掲載決定

 博士1年の李くんが筆頭著者の論文がIEEE Transactions on Applied Superconductivity (IEEE TAS)に掲載されることが決定しました。

 超伝導単一磁束量子回路を用いて、二値化ニューラルネットのための畳み込み演算回路を実現しました。さらにその性能を評価し、現状の回路技術による実装にくらべて電力効率(単位電力あたりの処理回数)が優れることを示しました。

Z. Li, Y. Yamanashi, and N. Yoshikawa, “Design of Binary Convolution Operation Circuit for Binarized Neural Networks Using Single-Flux-Quantum Circuit,” IEEE Trans. Appl. Supercond., vol. 32, no. 4, 1300305, Jun. 2022. DOI



2022年1月4日 新年あけましておめでとうございます

 2022年になりました。今年もしっかりとした研究をして、積極的な発表を続けていきたいと思います。 そして新年早々、春の学会の講演申し込みの締切です。