僕は前から博士課程現役学生の考え方ついて、興味がありました。どんな理由で、どんな情熱があってみんな研究や勉強に必死に打ち込んでいるのでしょうか。進学にあたって将来の不安など、なかったのでしょうか。 2008年12月に横浜国立大学工学部および大学院工学府修士課程の学生向けの「博士課程進学説明会」で講演する機会があり、この時に知り合いにアンケートを実施してみました。 アンケートは博士課程学生10人(男6、女4)の現役学生(Y大学、N大学、G大学、T大学)に行いました。学生の専門分野は工学、情報学、史学、脳科学に渡っています。できるだけ学生の生の声、本音を聞きたかったので、あえて山梨の直接の知り合いだけに回答者を制限しました。 以下に実施したアンケートの回答(原文のまま)を掲載します。 |
Q1. 博士課程に進学しようと思った理由はなんですか?
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Q2. 博士課程に進学する前に進学に対する不安があったなら、教えてください。
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Q3. 博士課程に進学してみて、良かったことは?
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Q4. 博士課程に進学してみて、悪かったことは?
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Q5. 現在、将来に対する不安があれば、教えてください。
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Q6. 他に言いたいことなどあれば、お願いします。
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以上がアンケートの回答でした。 博士課程への主な進学理由は、研究に楽しみややりがいを感じていることと、自分を鍛えるという向上心によってであることがわかります。そして実際に進学してみて、それなりに博士課程生活を満喫していることがうかがえます(もちろんいろいろ悩みはあるでしょうが)。 将来に対する不安が散見されますが、それは博士の有無に限らず、一生付いてまわるものです。大きな有名企業に就職したって(僕はそれが良いことと絶対思いませんが)、数年後はどうなるかわかりません。 そして金銭面での悩みが少々見られますが、博士課程学生に対する経済面でのサポートはここ数年で急速に充実してきており、もはや修士卒で就職した場合と遜色ないレベルまで来ています。 博士課程は研究の立案から実行、発表までを自分でするという過程により、専門能力だけではない総合力を鍛えられる絶好の場です。将来の不安などを感じている人もいます、そういった総合力を身につけた人材は今後ますます重宝されるようになると思います。特に海外とのやり取りでは、博士号の有無は致命的になります。 真の実力を身につけた博士過程修了者の活躍の場が広がっていくことを僕は信じています。 学生の率直な意見を見るのはなかなか楽しかったし、勉強にもなりました。本音の回答、貴重でした。アンケートに協力してくれた方々、どうもありがとうございました。 |